ブルックスカレッジ

2017.03.14

インタビュー

サイラス流ハイブリッドな走り方 ~ケガをせずに走り続ける方法やシューズの選び方~

サイラス流ハイブリッドな走り方 ~ケガをせずに走り続けるための自分ルール~

1月にブルックスと契約したケニア人ランナーのサイラス・ジュイ選手にインタビューを行った全4回シリーズの最終回は「サイラス流ハイブリッドな走り方 ~ケガをせずに走り続ける方法やシューズの選び方~」

生まれ育ったケニア時代よりも日本生活の方が長くなったサイラス選手。最終回の今回は、そんな日本通なサイラス選手ならではのケガをせずに走り続ける自分ルールを具体的に語ってくれています。市民ランナーの皆さんにも”目から鱗”な サイラス流ハイブリッドな走り方とは?



ランナーの70%がケガ! その対処法は?

—あるランニングサイトの統計で、ランナーのおよそ70%が足首や膝など何らかのケガを抱えているそうです。どうしてこういうことになるのでしょう?


いろんな要素があると思うけど、一つはオーバートレーニングです。毎日走らないと気が済まない人とかいますよね?



—しかも、アスファルトの上を!


そうです(笑)。それからメンテナンスもしっかりやって欲しいですね。僕は週に2、3回の頻度でマッサージなどメンテナンス時間を必ず入れています。市民ランナーも走った後のアフターケアをすることでケガの予防になりますよ。



—毎月、中には毎週のようにレースを走っている人もいますよね?


います。あれはやめた方がいい(笑)。ちゃんとベースを作って、硬い路面を避けたり(トレイル走ったり)、日々のメンテナンスもして欲しいです。そうでないとケガを抱えたままの人生になっちゃう。それって楽しくないでしょ(笑)



シューズは用途用法に応じて使い分けた方がいい!

—他に市民ランナーに伝えたいことはありますか?


シューズですね。選び方というか、使い方というか、日本ではソール(底)が薄いシューズがいい!という考え方がありますよね、あまり賛同しません。



—トップランナー(速いランナー)こそ”薄い”シューズという印象があるんですけど、違うんですか?


レースの時しか目にしないから、そう信じ込んでいるんじゃないかなぁ。メーカーさんも初心者モデル、サブ4モデル、サブ3モデルみたいに、タイムでシューズを分けていますけど、僕は練習メニューによって使い分ける方が良いと思っています。



—練習メニューによって使い分ける!? 具体的には?


僕の場合、大きく3タイプのシューズを使い分けています。LSDのように比較的ゆっくりと走ってスタミナ練習する場合は、厚底です。トレイルなんかもこのタイプで走ります。Brooksで言うと「ゴースト9」ですね。一方、レースとかMAXスピードで走る場合は、薄底です。「ハイペリオン」がいいですね。その中間的なトレーニングの場合は、シューズも中間的な厚さのもの、例えば「ローンチ」とかを選びます。



—ベストタイムのような速さを基準にするのではなく、用途用法に応じて使い分けるんですね!


そうなんです。実際、多くの実業団ランナーは使い分けています。箱根駅伝に出る学生もそうだし。でも、テレビとかで映るのはレースの時だけ。だから「速い=薄いシューズ」と言う誤解が生まれたんじゃないかな。8〜10種類のシューズを使い分けているトップランナーもいるくらいですよ。



—毎日のように薄底のシューズでアスファルトを走るランナーって、サイラス選手からしたら信じられないわけですね?(笑)


信じられない!(笑) もちろん、市民ランナーの方は時間のやりくりとか練習環境とか思うようにいかないと思いますけど、メニューによってシューズを使い分けることは出来ると思うんです。



—シューズ選びのコツは?


履きやすくて楽であること。走ってみてダメージが残りにくいシューズを選ぶことですね!



—ケガに悩むランナーにとって、シューズ選びは重要なんですね


はい。シューズへの知識不足、アスファルトという環境、そしてケア不足。この3つの要因がケガをしやすい理由かもしれません。



将来は子供達に教えたい! 日本でね

—競技者としての今後の目標を教えてください


目標タイムは2時間6分台を出すことです。今、31歳ですが、5,000mや1万mはもう少し若い方が有利だけど、技術・知識・メンタル・体力など複合的な要素が高いレベルで必要なマラソンには、ベストな年齢だと思っています。



—競技者としてはいつまで走っていたいですか?


現実的には36歳か37歳くらいまでかなぁ。40歳まで走り続けてみたいけどね! でも、走ることはライフワークだから、走ることをやめることはないです。



—セカンドキャリアについてはどう考えていますか?


小学生〜高校生くらいまでの子供たちの指導者になりたいです。ケニア流と日本流を知っている僕だからこそ伝えられることがあると思うんです。



—ケニアでですか? それとも日本で?


日本で!(笑) 走ることは楽しいんだって、Brooksの「Run Happy」と同じ考えを多くの人に伝えていきたいですね!



あとがき

ケニアで15年過ごし、日本で16年目を迎えたサイラス選手は、人生そのものがハイブリッドな貴重な人材とも言えるかもしれません。日本のお笑い番組が好きで、お茶目な一面を持ちながら、研究熱心で走ることが大好きな根っからの“ランナー”でした。
(インタビュアー:山田 洋)



山田 洋

スポーツジャーナリスト

アスリートだけでなく経営者など幅広いインタビューを数多くこなす。また、ロードからトレイル、ウルトラも走る市民ランナーでもある。

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