シューズチェンジで広がる、ランの可能性

BROOKS STANDARD vol.2 後編

人々にとっての選択肢や価値観は、時代の流れによってさまざまな広がりを見せる。ランニングシューズのスタンダードを創ったBROOKS(ブルックス)が探る、“現代のスタンダード”とは。
本企画では「ソール」と「シューズチェンジ」に着目し、さまざまなバックグラウンドを持つランナーに意見を聞く。

ランニング専門ブランドとして、スポーツ医学やバイオメカニクスの研究に基づいた開発を長年続けてきたBROOKSは、“シューズチェンジ”を提案している。“シューズチェンジ”とは、“ケガや故障を防ぐためのシューズ選びとその活用法”のことで、練習強度やコンディションに合わせてシューズを履き替え、ランナーの体にかかる負担をできる限り軽減させる。

だが、シューズチェンジはケガや故障を防ぐだけなのだろうか。他にも様々なランナーにとってなにかをもたらしてくれはしないだろうか。

シューズアドバイザーとしてランニングシューズを知り尽くす藤原岳久、フイナム ランニング クラブ♡の一員として仲間たちと走ることを楽しむ編集者の山本博史、そしてフルマラソン24回、ウルトラマラソン2回の完走歴を持ち、JRTA認定トレーナーとしても活躍するタレントの中村優にそれぞれの考えを聞いてみた。

シューズチェンジは自由。まずはお気に入りの一足を

─ ─ みなさんは普段、シューズを使い分けたりしていますか?

中村:私にとってのベーシックな走り方はのんびり走ることなので、基本的にはクッションがしっかりしたシューズを履いています。これまで、ウルトラマラソンのときにもクッション性重視でシューズ選んで、安心感を味わってきたからこそっていうのもあるかもしれません。でも、リレーマラソンだったり短めの距離を速く走る機会もあるので、そのときのために薄いソールのものも一応持っています。

山本:僕は、普段のランニングでは割と軽量で裸足に近い感覚で走れるようなナチュラルシューズを履くことが多くて。あえて足に負荷をかけておいて、レースのときに反発を楽しみたいタイプなんです。

藤原:ランニングはどうしても単調になりがちだからこそ、シューズを履き替えることで体の使い方の微妙な違いに気づくことも多いんですよね。僕はもう40年近く走っていますが、いろいろなシューズを履くうちに、足の運び方などを自分自身で探れるようになっていきました。ある意味、シューズが走り方を教えてくれているとも言えるかもしれません。
だから、「今日はこのクッションで走りたいな」とか「今日はこっちの反発を活かしてスピードを上げてみたいな」とか、シーンや気分によってチェンジできれば、気持ちよく楽しく走り続けるうえでのモチベーションアップにもつながるはず。シューズチェンジは洋服を着替えるのと同じで、気軽で自由なものだととらえてしまえばいいと僕は思っています。究極でいうと、それこそ洋服みたいにいろいろなシューズを履き分けられたらいいんですけど、ランニングシューズは決して安価なものではないし、まずはいちばんお気に入りの一足を見つけられるといいですよね。

─ ─ 今回、「DNA LOFTシリーズ」と「DNA AMPシリーズ」の2種類を履き比べてみて、どのような使い分け方ができそうだと感じましたか?

中村:私にとって、藤原さんの言葉にあったような“お気に入りの一足”は、LOFTシリーズのGLYCERIN 16(グリセリン 16)。だけど、ときどきストレス発散も兼ねて思いっきり走りたいときは、AMPシリーズのLEVITATE 2(レビテイト2)のように反発力の高いシューズで走るのもいいなって思いました。あと、ハーフマラソンに出るときは5分半/1kmくらいのペースで走ったりするので、そのときにLEVITATE 2を履いても面白いかも。ちゃんとサポートしてくれて、スピードにも乗れそうです。

山本:僕は、AMPのようなシューズをレースでの“勝負シューズ”のように使ってみるのが気持ちよさそうだなと思っています。反発力があって前に進ませてくれるので、タイムも狙えそう。グループランのときは5:30/kmくらいのペースでみんなと走るので、LOFTのクッションを味わうのもよさそうです。長い距離をゆっくり走るときだったり、なんなら日常履きとして使うのもいいなと思います。

藤原:ちなみに、ときには別のタイプのシューズを履いてみることによって、自分の体にも刺激が与えられるんですよ。もちろん足に合わないものを履く必要はないけれど、「ちょっと違和感があるな」くらいのシューズであれば、もしかすると新しい走り方ができるかもしれません。普段とは別の場所に負荷がかかることで、いいトレーニングにもなり得ます。とはいっても、難しく考える必要はまったくなくて、純粋に「これも履いたら面白そう」と思えるものを手にとってみればいい。シューズチェンジっていうのは、決して教科書的な堅苦しいものではないと思います。

(左)藤原岳久 (中)中村優 (右)山本博史

  • 藤原岳久

    藤原商会代表、日本フットウエア技術協会理事、JAFTスポーツシューフィッター。東海大学出身。メーカーや販売店での勤務を経て、ランニングシューズフィッティングアドバイザーとして独立。シューフィッターの育成やお買い物ツアーの開催など、ランニングシューズの大切さを広める活動を行っている。フルマラソンの自己ベストは2時間34分28秒。
  • 山本博史

    ファッション、カルチャー、ライフスタイルWebマガジン『Houyhnhnm(フイナム)』の副編集長で、フイナム ランニング クラブ♡副部長。ランニング歴約5年、トレイルラン歴約3年。2018年4月には100マイル(約168km)を走るトレイルランニングレース「UTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ」にも挑戦し、45時間7分18秒で完走した。
  • 中村優

    ミスマガジン2005でデビューし、『王様のブランチ』(TBS)や『saku saku』(tvk)などに出演。2008年、ホノルルマラソンで初フルマラソンに挑戦し、4時間49分54秒で完走した。『ラン×スマ 〜街の風になれ〜』(NHK BS-1)ではスマイルランナーとして数々の大会に出場。フルマラソン出場回数24回、60kmレース2回、82kmレース1回、100kmレース2回をすべて完走している。現在のフルマラソン自己ベストは4時間10分27秒。